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社会保険労務士試験の勉強時間は、一般的に800〜1000時間が目安と言われています。私は1月に学習を始め、8月23日の本試験までの約650時間で、総合点は合格基準に届きました。ただし、結果は不合格です。選択式の科目ごとの基準点(いわゆる足切り)に、2科目届きませんでした。なかでも効いたのは、STUDYingでの学習と、論点別に並べ替えられた過去問集です。この記事では、何を使ってどう勉強したのか、何が良くて何が足りなかったのかを、できるだけ具体的に振り返ります。
Contents
800~1000時間が目安 ― 650時間で総合点は合格基準に届いた
社会保険労務士試験は、合格率が例年5〜7%台の国家資格です。2026年度(第58回)は9.3%と例年より高めでしたが、それでも10人に1人に届かない狭き門であることに変わりはありません。
私は2026年1月から学習を始め、8月23日の本試験までの約7ヶ月間で、合計650時間ほど勉強しました。一般的に言われる800〜1000時間という目安からすると、かなり短い時間です。
総合点は届いたのに、2科目の基準点で涙をのみました
社労士試験には、総合点だけでなく、科目ごとの「基準点」という仕組みがあります。選択式は各科目3点以上、択一式は各科目4点以上を満たさないと、たとえ総合点が合格基準を超えていても不合格になります。いわゆる「足切り」です。
今年の合格基準は、選択式が総得点25点以上かつ各科目基準点以上、択一式が総得点47点以上かつ各科目基準点以上でした。選択式の雇用保険法の基準点が2点以上となりましたが、残りの科目は通常の合格基準点となりました。
私の結果は、択一式は総得点47点で全科目が基準点をクリア。選択式も総得点はちょうど25点で、合格基準と同点でした。ただし、選択式のうち2科目が基準点に届かず、不合格という結果になりました。
総合点では合格基準に届いていましたが、特定の科目の基準点という壁を越えられなかった。これが、今回の結果です。悔しい結果ですが、1月スタート・650時間でここまで来られたという事実は、残しておく価値があると思っています。
では、何を使って、どう勉強してきたのか。順番に振り返ります。
STUDYingを軸に、初学者の私でも基礎を固められた
メインの教材として使ったのは、オンライン資格講座のSTUDYing(スタディング)です。結論から言うと、初学者の私が総合点で合格基準に届くところまで実力を伸ばせたのは、この教材を軸にしたからだと感じています。
「AI問題復習」で、最適なタイミングで復習ができる
STUDYingには、学習の記録をもとに、理解度が低い論点をAIが判定し、自動で繰り返し出題してくれる機能があります。自分で「この分野が弱いから復習しよう」と計画を立てなくても、忘れかけている論点をAIの方が先に見つけて出してくれる。この仕組みに、何度も助けられました。
私の場合、「今日は何を復習するか」を毎回自分で決めるのをやめて、まずAIが出してくる復習問題を解くことを、その日の学習の起点にしていました。計画を立てる手間がなくなり、苦手な論点から先に手をつけられたのは、この使い方のおかげだと思います。
「AI実力スコア」で、弱点をまんべんなく底上げできた
もう一つ役に立ったのが、「AI実力スコア」という機能です。選択式・択一式それぞれについて、科目別、単元別のレーダーチャートで今の実力が、AIの予測を基に可視化されます。
私の最終的なAI実力スコアは、選択式が30.7点(実スコア25点)、択一式が49.2点(実スコア47点)でした。実際のスコアよりも少し上振れてはいますが、科目ごとの点数が一目で分かるので、苦手な科目を後回しにせず、まんべんなく底上げしていけたことが、総合力を押し上げた一番の要因だったと感じています。
月200回の「AI質問機能」も、地味に効いた
疑問に思ったことをその場でAIに質問できる機能も使っていました。月200回まで使えるので、ちょっとした疑問もためらわずに聞けます。通勤中や家事の合間に、気になったことをすぐ解消できたのは、学習のリズムを崩さないという点でも助かりました。
動画とテキスト、両方を使うと定着が早い
一つだけ、使い方のコツとして伝えたいことがあります。動画講義を見ただけで分かった気になっていると、実際の論点はあまり潰せていません。動画で全体の流れをつかんだら、テキストも必ず読み込んでください。STUDYingのテキストには、本試験で問われる頻出論点がきちんと網羅されています。動画で理解し、テキストで読み込み、過去問を解く。この順番を徹底することが、一番の近道だと思います。
少なくとも私の場合、STUDYingを軸に、総合点が合格基準に届くところまで基礎力を引き上げることができました。これが、今回の一番の実感です。次に、補助的に使った教材についても触れておきます。
補助教材で基礎を固める:基本テキストと過去問集
基本テキスト(LEC)は、入門の壁打ち相手として使った
「社労士合格のトリセツ」は、イラストが豊富で初学者に向いていると聞いて購入しました。基本用語に慣れるための入門編として使うのがちょうどよく、試験問題レベルの深さまでは踏み込んでいません。STUDYingを始める前の、最初の足がかりとして役に立ちました。
過去問集(TAC出版)が、今回一番効いた教材でした
「よくわかる社労士 合格するための過去10年本試験問題集」は、使ってみて一番効果を感じた教材です。
本試験の過去問は、1問につき5つの肢(選択肢)に論点が混ざっているため、見直しがとても大変です。この問題集は、その5肢をいったんばらして、論点ごとに類似問題を並べ替えてくれています。たとえば「死亡一時金」というテーマなら、過去に出たその論点の問題だけを、一括で見られる構成です。
今回は国民年金と厚生年金の2科目分だけを使いましたが、実際の本試験でもこの2科目は択一式で高得点でした。弱点をつぶしたい論点、本試験レベルまで引き上げたい論点があるときに、特に効果を感じました。
1冊1,760円(税込)なので、全4冊をそろえても合計7,040円です。TACの模試2回セット(8,800円)より安いことを考えると、費用対効果はかなり高いと思います。来年受けるなら、このシリーズを全科目そろえるつもりです。
補助的に、選択式の条文理解を補うアプリ「社労士 選択式 秒トレ」も使っていました。メインにはなりませんが、スキマ時間の条文チェックには向いています。
選択式の対策として読んでおきたい各法令の目的条文は、以前の記事(社労士試験 全法令の「目的条文」を一気に整理)にまとめています。
基礎を固める教材は、ここまでです。では、足りなかったものについても正直に書いておきます。
法改正論点で一歩届かなかった。来年はここで差をつける
選択式は1科目あたり5問しかありません。ここで法改正に関する問題が2〜3問出ると、それだけで基準点に届かなくなってしまいます。そして法改正は、毎年ほぼ確実に出題される論点です。今回、ここの対策が手薄だったことは、素直に反省しています。
とはいえ、他の学習もある中で、法改正だけに時間を大きく割くのは現実的ではありません。おすすめしたいのは、法改正をまとめて特集している雑誌や教材から情報を仕入れ、分からない部分だけ、実際の改正条文を自分で確認しに行く、という使い方です。試験で適用される法令は、受験する年の4月の基準日(2026年は4月10日)時点で施行されているものと決まっています。そのため、7月前後に出る特集号であれば、ちょうど試験範囲に入る改正を網羅した形でまとまっています。
最後の1ヶ月は、思っている以上に知識が伸びる時期です。法改正のような直前期向けの論点は、焦らず、最後まで詰め込む価値があると思います。
では、模試についても振り返っておきます。
模試は3回ともD判定。それでもスコアは着実に伸びていた
今回は、TACの全国中間模試・全国公開模試の2回と、STUDYingに含まれている模試を本試験の約1ヶ月前に受けた、合計3回の模試を受けています。結果は、3回ともD判定でした。
判定だけを見れば、正直かなり厳しい数字です。それでも、STUDYingのAI実力スコアで継続的に弱点を把握できていたので、判定に一喜一憂せず、足りない科目を淡々と埋めていくことができました。結果として、本試験では総合点が合格基準に届いています。
模試は、TAC以外にもLEC・大原が実施しています。2026年の実施状況を比べると、次のようになります。

※画像はクリックで拡大できます
TAC模試を受けた感想ですが、本番の試験がやや解きやすく感じるくらい、難易度は高かったように思います。点数を取りにいく模試というより、弱点を洗い出して耐性をつける模試として機能すると思いました。
来年受けるなら、「難しすぎる問題は要らない」「本試験レベル」を掲げるLECの模試にしたいと考えています。TACに比べて回数が多く、単価も安いところも魅力です。
D判定が3回続くと、心が折れそうになる瞬間もありました。それでも、最後の1ヶ月でスコアは着実に伸びていきます。判定だけで見切りをつけず、最後まで積み上げてみてほしいと思います。
振り返り:初学者が1年目の学習計画を立てるなら
今回の経験を振り返ると、もしも初学者として1年目の学習計画を立てるなら、次のように組むと思います。
まず、STUDYingを軸に基礎を固めます。AIの復習機能とAI実力スコアを使って、特定の科目に偏らず、全体をまんべんなく底上げしていきます。初学者の私でも、この進め方で総合点は合格基準に届きました。
そのうえで、過去問集を早めに取り入れ、論点ごとに弱点をつぶしていきます。講義やテキストで理解した内容を、本試験レベルの問題で確認しながら、知識を使える形にしていくイメージです。
そして直前期には、法改正など、標準的な教材だけでは拾いきれない旬の論点をまとめて確認する時間を確保します。
基本を固める。過去問で弱点をつぶす。最後に旬の論点を足す。初学者の1年目であれば、この3段階で進めるのが、今回の経験を踏まえた私なりの学習計画です。
【セルフチェック】社労士試験の学習計画を確かめる6項目
この記事の内容を、ご自身の学習計画に当てはめてみるためのチェックリストです。気になった項目だけ拾ってもかまいません。
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動画講義を見ただけで、分かった気になっていないかテキストの読み込みも必ずセットで行う
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特定の科目に学習が偏っていないかAIスコアやレーダーチャートで、まんべんなく底上げできているか
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過去問は、論点ごとに弱点をつぶせているか1問5肢をばらして、同じ論点を横断して見直す
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法改正論点の対策を、直前期に確保しているか選択式は5問中2〜3問で基準点に届かなくなることもある
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模試の判定だけで、学習の手を止めていないかD判定でも、最後の1ヶ月でスコアは伸びる
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科目ごとの基準点(足切り)を意識できているか総合点だけでなく、一番低い科目の点数を確認する
出典・参考情報
※本記事は筆者個人の学習記録・体験に基づくものであり、学習効果を保証するものではありません。合格基準・模試の日程や料金は年度により変更される場合がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
