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取締役会は、人への投資をどう問うか ― 戦略とのつながり・途中経過・未達の分析という3つの視点
人への投資が取締役会の議題になったとき、社外取締役はどこまで踏み込んで聞けばよいのでしょうか。研修や人事制度といった個々の施策の説明から視座を一段上げ、全社の戦略と資源配分の観点から問うことを、コーポレートガバナンス・コードの原文をもとに整理します。 人事方針が議題になるかは、経営への効き方で決まる 人的資本は、成長投資の一つに数えられている 2026年7月に改訂されたコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)は、取締役会の主な役割として、成長の道筋を描くなどの戦略的な方向付けを挙げ、成長投資など ...
「クイック・ウィンで行きましょう」は、どこへ向かう一歩なのか ― 小さな成果を、大きな道の上に置く
大きな方向性の話をしたら、「まずはクイック・ウィンで行きましょう」と返されたことはないでしょうか。では、その一歩はどこへ向かっているのでしょうか。小さな成果を大きな変化につなげる選び方を、短期の成果の大切さを説いたコッターの言葉からたどります。 行き先のないクイック・ウィンが、穴掘りになる 大きな話をすると、小さな成果を求められる 中長期の方向性を話すと、「まずは目に見える成果を出しましょう」と言われることがあります。以前の記事(自分の権限では決められない仕組みを、どう変えるか)でも触れたように、早い段階 ...
自分の権限では決められない仕組みを、どう変えるか ― 試し、見いだされ、技法として渡す
10月、国立新美術館の「ルーヴル美術館展 ルネサンス」で、ある皿の前で足が止まりました。ヘビやカエル、魚、貝が、まるで生きているように立体的に張り付いています。この技法を考え出したのは、16世紀フランスの陶工ベルナール・パリシーです。彼は約16年にわたって釉薬の試作を重ね、有力な貴族の後ろ盾を経て、王太后カトリーヌ・ド・メディシスの庇護を受けました。その技法は、彼の死後もほかの工房に受け継がれます。私が見た皿も、17世紀にその技法を受け継いだフランスの工房で作られたと考えられる作品でした。 その歩みは、決 ...
成果が出ていないメンバーとの面談で、何を話すか ― 「認める」だけで終わらせない、原因の切り分け方
成果が出ていないメンバーとの面談で、まず本人を認めることから入る方は多いのではないでしょうか。それ自体は大切なことです。ただ、認めることが面談の目的になると、成果が出ていないという現実が置き去りになり、次に何をすればよいかが本人の手元に残りません。面談で本当に話すべきことは何かを考えます。 認めることが、面談の目的になりやすい 認めるだけでは、次の行動が見えない 以前の記事(承認は何のためにするのか)で、教室での学習を中心にフィードバックの研究をまとめたレビューを紹介しました(Hattie & T ...
人事方針を変えるとき、どこまで変えればいいのか ― システム開発に学ぶ、方針と仕組みを一体で見直す方法
人事方針を見直した。でも、申請画面も、評価シートも、業務の手順書も前のまま。そんな経験はないでしょうか。方針を変えるとき、どこまで変えれば現場の行動まで変わるのか。システム開発の考え方を借りて整理します。 方針を変えても、変え忘れた仕組みが現場を動かす 人事方針の「変え忘れ」は、どこでも起きる 人事方針を変えたのに、周りの仕組みが前のまま、ということはよくあります。たとえば次のような場面です(筆者の整理)。 育休:「男性も希望する期間で取れるようにする」と決めても、代わりに仕事を担う体制や、育休明けの評価 ...